おくりびと


納棺師という仕事がある事も知らなかったし、今まで同じ年齢の人間と比べてもいろんな人の死を見てきていると思うけれど、そのような人たちに送られたことはない…


なんだか死んだ人をテーマにする映画だからと敬遠する人たちもいるかもしれないけれど、ただ単に重苦しいだけの作品ではありません。


もう全編通して大声出して笑えるシーンも沢山あるし、でもそれぞれの家庭のそれぞれの事情の最後のお別れの方法がある事を納棺師という仕事を通して色々感じてもらえることがあるように思います。


日本は狭いようで広い、例えば主人公の幼馴染の実家の銭湯のシーンにしても、私が住んでいる関西と山形では銭湯の建物や中の構造、湯船などの配置などの違いなどもわかりますし、葬儀に形も色々、多分外国の人が見てもかなり文化の違いを知るにも興味深い作品だと思います。


最後、顔も忘れた父親の死体を自ら納棺するシーンをみると自分自身とても大吾の思いに伝わってくるものがありました。


もっと色んな事を聞きたかったし、どうして?と思うことも沢山あるのに…


単に映画祭で受賞したからいい作品とかではなく、人間はそれぞれの全うすべき死を生きて行くことの大切さを見てもらえるといいのではと思います。(まだ考えがまとまらないから…)


本当にモックンの演技もさることながら奥さん役の広末涼子ちゃんも一度は納棺師の大吾の事を軽蔑したけれど実際大吾の死者に対する誠実な気持ち、決して死を軽んじたりしてない姿を見てそんな夫を尊敬し受け止めようとする演技はとても良かったです。

AIが歌う「おくりびと」(この歌は劇中では流れません)