銭ゲバ 第1話

昨晩、ついにスタートしました、ドラマ「銭ゲバ」。

まずドラマ本編の直前に…

本編のテーマが重いからか、直前ではみんなが楽しそうな表情でまるで視聴者の緊張をほぐしてくれているよう?(笑)


17日には公式で松ケンのメッセージが追加されていました

今日夜9時から銭ゲバが始まります。
今回のドラマは、人がそれぞれ何を思おうが全ての人にとって確実に必要なものを題材にした作品です。
それは生きている限りいつも身の回りについてまわる問題でもあるし、 自分は今満たされていると思っていても、その分『誰か』がその問題に真剣に向き合っています。


僕は、この問題にいつかは必ずぶつかると思いますし、満たされない時、どういう意識を持って向き合っていくか、満たされている時は、どう意識を持って行動するか、その一つの例をこの作品で描いていると思っています。


この一つの例を是非最後まで沢山の方に見届けていただきたいと思っています。


宜しくお願いします。


松山ケンイチ

子供時代の風太郎を演じた齋藤隆成君、いい演技していました。
べらの煮付けを食べるシーンなんかもそのあと、大人になった風太郎(松ケン)が伊豆屋でベラの煮付け定食を食べるシーンと食べ方が無意識なんだろうけどとても似ているように感じたし(芸細かい)その時の表情そして食べ終わって店を慌てて出ていく様子(多分感情を周囲の人に見せることが嫌だったんだろうね)も良かった。


あと、風太郎の目の演技やちょっとしたしぐさが隆成君と松ケンが違和感なく表現されているのも本当に良かった。


金曜日、1話の見所の紹介をズームインで松ケンが「…(セリフがない行間の時の表情など)の部分です」と言っていたけど、エンディング間近、私は原作を知ってるから、なんだか風太郎ケンを見て切なくなってきた。


茜役の木南さん、原作にとても雰囲気似てるなぁって予告を見た時から思っていたけど、来週から風太郎が三國家を乗っ取るためにああいうことやこういうことをするんだろうかとか…。


少し残念だったのは、風太郎の復讐の原点である、幼少期のいじめのシーンやお母さんの病気に関するシーンが少し描写が甘かったような気がするんです。確かに息子を心配して病院に行っていない(だから薬も買えない)ということは伝わるけれど、それだけで風太郎がお金い対して必要なほどに執着と復讐を考えるに至るのかというのが少し観る人にはインパクトが薄かったように思うんです。


やはりその辺は原作のようにお母さんが寝込んでいることが多くて病院の医者から「治療費を払ってもらえないんだからもう往診にこれない、診て欲しければお金を持ってきなさい」ぐらいにならないと…。まぁ、その分お父さんがふらっと帰って来てのシーンや(このときの2人の激しいシーンはすごい迫力だった)、緑との出会いとマカロンのシーンなどで貧困や世間の理不尽さなどをのちの復讐の伏線にしてるんだろうけど…。(緑との出会いのシーンは原作ではありませんのでマカロンのシーンなども当然ドラマオリジナルシーンです)あと「100円のお金もない家もあるんです」というシーンも現代風だから給食費が払えないという設定になっていましたが、う〜んそれも私的には少し不満だったかも?(原作は風太郎が毎日遅刻をしてくるのでクラスのペナルティとして罰金を科すことになって、その遅刻の原因はお母さんの治療費や生活費のために新聞配達のお手伝いをしていたためなんだけどね)まぁ、時代考証的に難しかったんだろうけど…。


お母さんの「貧乏って悔しいね、悲しいね」このシーンはジーンとしましたね。(ある意味このシーンが上記の諸々を納得に変えてくれる要因のシーンでもあるんですけど)


印象に残ったシーンは田口トモロヲさんを撲殺するシーンですね。(関係ないけど、凄いですよね、プロジェクトXのナレーターと世界の車窓からのナレーターが同じドラマで共演してる絵図が妙に嬉しかったりしたのですアハハ)
「お金がないと死ぬしかないんだ」
「…だったら死ねばいい、貧乏人は幸せなんてなれないんだよ、死ぬ方が楽になるよ」


このときの風太郎の表情と声が一見優しいんですよね。でもそのあとのシーンで180度豹変したかのようになる、この表情の変化と声の変化がより風太郎の狂気な部分が見る者により怖さを感じさせたんじゃないかと…。


そして、最後、風太郎に向かって「俺、死ぬんだな…もう辛いこと…無くなるんだな…ありがとうな…おまえ、なんか知らないけど…可哀想なやつだな」


このときの風太郎の表情、そして死んでしまう人間に言われた最後の言葉に風太郎は本当にどう思ったんだろうとか、死んだ人も何故ありがとうと言ったんだろうとかいろいろ考えてしまう。


確かに「お金がないと死ぬしかない」と言われたら「じゃぁ死んでみれば」と素直に思ってしまう。そんな簡単になぜ「死ぬ」なんて言うんだろう?結局、自分が招いた結果で(この人がなぜお金がそんなに必要だったのかという理由がわからないので何とも言えないけれど)本当に方法がなかったんだろうかって…。


人間という動物はどうしても負の影響を受けやすいんだそうです。
良いことよりも悪い事を受け入れてしまう、吸収してしまう、信じてしまう傾向になるそうです。


それをどうやって克服するのかは結局自分自身しかないわけで、今回のドラマの場合はお金がなくて「死ぬしかない」と殺された人は言ったけど、実際本当にそれが死ぬほどのことだったのかどうかは分かりません。

自業自得なような気もするし、本当にそんなことで死ぬのかどうか試していただきたい(と言っても自殺とかではなく、本当にお金が必要なのになかったとしたら、どんな風に死ぬのかという事を…結局誰かに殺されるてしまうのかとか、はたまた餓死してしまうのかとか、その人の言う今お金がないと死んでしまうという意味において)と私は思うんです(笑)


人ってそんなに早々死なないもんだからね。


風太郎と同じような境遇の人間はいるだろうけど全ての人間が風太郎のようになるわけでもないわけで…その境界って一体何だろうと思ったりする。エサをあげていた猫が死んだ時に「俺は死なない…」これは撲殺した男性に対して向って言っている風太郎の答えのようでもあるんじゃないかってね。


そしてエンディング間近、いよいよ風太郎が本格的に行動を始めたようです。
わざと車にぶつかって緑と接点を持つ風太郎…
でも、流した涙と目が覚める瞬間のあの演技がたまりません。

風太郎の弱い部分が垣間見れたようなしかし瞬間もう彼の復讐の計算は始まっていてあの含みのある笑いが不気味でもあり、あのショットで終わるとは…やられましたね。次週が待ち遠しい訳です。

気になる反響も、まずまず良いようで一安心です。あとは原作からのファン、そしてドラマに興味を持ってくれた人たちにどうドラマが答えてくれるのか見守るしかないんですよね。