銭ゲバ 第4話「僕の家族は母さんだけズラ」

三國家に住み込むことになった風太郎…

茜が誕生日プレゼントに風太郎さんが欲しい、風太郎さんと結婚をさせてください」とお願いするところから4話は始まりました ―


今回では鏡面するものが多用されているように感じました。あと風太郎の内面の感情を表現してるものなのかどうわからないけれど(多分、そうじゃないのかなと私は思っているんですけど)キラキラしてたりメラメラしていたりぼやけていたりしてるシーンなんかもあったりして、毎回色々細かいことを楽しんで撮影してるなと感心しておりますが…


「…そんなの関係…」
「あるんだ、関係あるんだ」
風太郎君、私もそんなこと関係ないと思うな」
「…もし、僕がそれは無理だよとさっき言わなかったら…お父さんは大反対をしたと思うんです」
「…」
「僕はそれは…正しいと思うんです」
「どうして正しいの?」
「僕みたいな得体の知れない人間は嫌に決まっています、当たり前ですそれが…僕には紹介する親もいない…母は死んでしまったし、父はろくでなしで何処で何をしてるかもわかりません…学歴もまるでない、そんな男がこの家の一員になるなんてできません」
「茜ちゃんはそんなこと気にしてないんじゃない?だったら育った環境なんてどうだっていいじゃない?」
「良くないですよ、緑さん、人は同じような環境で育って、同じような空気を吸ってきた人達といるのが一番いいんです、それが一番なんです、価値観が同じというのかな…とにかくそれが一番なんです」



まったく、その通りだと思います。
「そんなの関係ない」そんなことを言うことは簡単、誰でも何でもそういう言葉を口にするけれど、実際自分に、その「関係ない人」たちが目の前に現れて、自分と違う価値観や考え方や行動をした途端に「関係ない」なんて言葉はすっかり忘れてしまうもんです。そういう偽善的な言葉に振り回されている人たちがどれだけ傷つけられていることか…。


「…あたし、この家を出る、それならいい?」
「茜…」
「…ダメだ…それは絶対だめだ」
「どうして…」
「君は貧しいってことがどういうことなのかわからないからそんなことが言えるんだ、どうなる考えてごらん。僕と2人で暮らして…僕は君の事が好きだから、絶対そんな思いはさせたくない」
「あたし平気だよ、風太郎さんがいれば!」
「分かってないんだよ君は貧しいことの辛さを!貧しさは簡単に人を変えるんだ!愛なんかどっか行っちゃうんだよ!」


…どれだけ好き同士だったとしても、結局お金がないと人間としての心の余裕がなくなったりするし、もともと何も求めないような人間であればそれはそれで成り立って行けるのかもしれないけれど、必ずしも皆がそんな倹しい生活を望んでいるわけではない、喧嘩したくなくてもお金がないと言ってはケンかをするのが人間…誰が悪いわけでもなく、それでもお金がないとお互いの責任にして、毎日が修羅場のようになったり、生活費のためにサラ金などからお金を借りたりクレジットなどを利用して自転車操業のような生活を送ったり、そしてお互いの心まで貧しく、傷つけあってしまうもの…。


風太郎の言っていることは単純に三國家の人間の信頼を得るためだけにに言っている方便だけではなく、現実的なことでもあります、結構風太郎は自分の言いたいことをズバッと言いますよね。


そして三國家から一旦去ろうとします。


「お前ら、金持ちはこういう貧乏人が好きなんだよな、従順で…欲張らない、身の程を知った貧乏人が好きなんだよな、金持ちに決して牙を向かない貧乏人がさ。なんでだかわかるか?ふっふっふ…あはは、心のどこかで、お前ら怯えてんだよ、貧乏人がいてくれんと、自分たちが金持ちでいられんくなることをわかってるからさ、お前ら、怖いんだよ、だってさ、元々理由なんてないんだ、お前らが金持ちでいるさ…だって、要するにアレだろ?お前らのご先祖さまが、たまたまちぃっと喧嘩が強かっただけの話なんだよ…お前らの考えていることなんて手に取るようにわかるズラ…拍子抜けしたんだろう?あいつは悪い奴じゃないんじゃないかって…今頃思ってんだ…」


そしてまんまの風太郎の考えにハマってしまった三國パパと緑…。
白川君の忠告も風太郎のあの熱演にお金のために茜に近づいたんじゃないって少しでも疑っていた自分に反省する緑と三國パパ…。人の話をすぐ鵜呑みにするけどすぐ反省もする緑なんですけどね…。


「待ってるよ…お前らが頼みに来るのをさ…茜…上手くやれよ」


人一倍コンプレックスを持つ茜の気持ちを弄んで、自分がこんなことを言うとどういう行動をするのか?そして茜が行動することで必ず緑や三國パパも自分を完全に必要になるはずだという計算をここまで順調に進めてきた風太郎…。


部屋にいる茜ちゃんを映す鏡の顔も悲しみを歪んでい表現してるのかな。


緑は度々白川君に電話をするけれどいつも留守電…ってどれだけバッテリー長持ち?


三國家を出てまたいつもの日常を淡々を過ごす風太郎…1日、2日、3日…一向に緑が風太郎の所に来る気配はない、計画通りに進んでいるはずなのにと焦りに焦る風太郎…その間に、杖も取れて普通に歩けるようになった風太郎6日…まだ茜は行動してないと見てイライラする風太郎…もしかしたらこの作戦は失敗したのか?


「だめなんだ…あのまま結婚してもだめなんだ…信用されにゃ…だめなんだ」


そしてとうとう、茜ちゃんが自殺未遂をしてしまった!
…10日くらい経って風太郎の忍耐も限界か?と思ったその時、やっと緑がやってきた(遅いよ茜ってか?)


風太郎君!」
「どうしたんですか?」
「三國家に帰ってきてください、お願いします<(_ _)>」

この時の風太郎の本気で嬉しそうな表情が…おいおい、だめでしょう、そんなに喜んじゃ…。


「えっ…でも、僕は…」
「茜と…茜とずっと一緒にいてあげてください、茜にはどうしても風太郎君が必要なんです、父も認めています」
「えっ…」
「お願いします<(_ _)>」


優越感マルコメ風太郎。夜神月風にいえば「チェックメイト!」って感じですかね(笑)作品が違いますねアハハ。


金持ちが貧乏人の自分に対して頭を下げてお願いしてるよって感じですか?内心もっと早く来いよ〜と思っているんだろうけど。

この時のミムラさんの表情は先日スタッフブログで紹介されていましたよね。このシーンの演技のために前日から役作りで寝なかったって、本当にその結果がよく表情に出ていましたよね。さすがです。

そして、再び三國家にcomeback!風太郎…嬉しくて仕方ない気持ちをこらえて三國家の家族と再会を果たします。あぁ、笑顔が怖いっす。


前回と違って今回は完全に自分に対して信頼している三國家の家族…形勢逆転?あまりの嬉しさに思わず、白川君に改めてご報告する風太郎。


「どうですか?天国の暮らしは?こっちはお陰さまで順調ですよ〜、ヘヘヘッ。遂にあなたと同じお金持ちの仲間入りです。でも、勘違いしないでくださいね、どーしてもって頼まれて三國家の一員になるんですから僕は…アハハ…」


って、首をかしげる姿はどう見てもクラウザーさんに見えてしまう(爆)声のトーンが高くなって嬉しくて仕方ないことがより強調して見えるシーンになっているなって…。


土の色が違い過ぎるとかそんなことは今は気にしなくていいんです(笑)


そんな幸せの一歩だと思った矢先に、悪魔がやってきた!
さっきまでのハッピーな気持ちが一気にブリザードが吹いたように凍りついた風太郎…。


健蔵父ちゃん、もう好き勝手に言いたい放題、飲みたい放題、挙句に一晩泊るってどういうこったぁ(;一_一)戸惑う風太郎…。必死で笑おうとしてるけどどうもぎこちなく、居心地が悪いオーラが出まくっていますね。


トイレに案内する緑に対して下手に出る健蔵父ちゃん。風太郎をアピールする健蔵父ちゃん。そしてまた出たあの振りが。


「何のつもりだ」
「ん?なにが?」
「あんとき…殺せばよかった」
「ン…やっぱ違うんだろうな、普通の人間を殺すのと親を殺すのは…な…怖い顔だねぇ〜、ねぇ、なんでお前そんな風になっちまったの?まぁしかし、上手くやりやがったなお前は、どうやってあの子をものにしたんだ?やっぱ、やっちまったか?奇麗な方の姉ちゃんは無理だったか」
「黙れ!」

中略

「俺は人を好きにならない…そうきめたんだ」
「なんでだよ」
「好きな人が死んで、死んで欲しい奴は生きてる」
「あれ?それ、俺のこと?」


この辺は健蔵父ちゃんの一人芝居が始まります。なんだか妙に説得力があってシリアスなシーンなんだけど妙にコミカル。それを見ている風太郎の目つきが本当に怖い、とにかく怖い…


健蔵父ちゃんが「こういうやつらが一番嫌いだ」という言葉に微妙に反応する風太郎。自分と同じようなことをこいつも考えていると思うとまた苦しく辛いんだろう。そういうのをする感じ取る健蔵父ちゃんにまた風太郎はやるせない…


「黙れ!」
「お前本当にボキャブラリーが少ない男だね…地獄に落としてやれよあんなやつら…でだ、俺にもかませろよ、2人で全財産を頂いちゃうというのはどうだ…黙れ、イヒヒッ、黙れ(笑)」

俺の一番計算外だったのがこいつ、健蔵の存在だよ、何処までこいつはおれのことを知ってるんだ?風太郎は戸惑っております。俺の計画にお前の存在はないのに…誰がお前と手を組むか!俺がこんな風になった原因はお前にもあるのに…By風太郎って感じですかね。


風太郎は貯めたお金を健蔵に渡して「二度と現れるな、これは警告だ」というけれど、そんな人間じゃないことは分かっているだろうに風太郎…。


でも、そんな健蔵父ちゃん、家政婦のハルちゃんがゴミを捨てに行くところを目撃…そして暫くしたら慌てて戻ってくるハルちゃんにただならぬ様子を見て…。


土に埋もれた携帯電話の音って地上に聞こえるのかな?まぁ、そんなことは深く言及しないでおこう…というかここは原作でもこういうシーンが出てくるので(シュチエーションは微妙に違うけれども、庭に死体を埋める&堀起こす、父ちゃんが骨を持って行く…携帯電話は当時ありませんのでね)なかなかやるなぁ〜岡田さん(笑)


朝、またうなされ涙で目が覚める風太郎…でも既に健蔵の姿はどこにもなく…。


ハルちゃんは昨晩のショックでお仕事できず…
三國パパから結婚についてのアレコレ話が、和やかな家族の朝食って風景だけど。


仕事中、会社のカレンダーを見ていると失敗している仲間が怒られているのを助ける風太郎。


仕事が終わって伊豆屋の前を通る風太郎…その店内では、家出をしていた由香の兄の真一が帰ってきていた。でもどうしようもないチャラ男で保男もお金を渡してしまう有様…喜ぶ真一は「エンジョーイ!」と言いながら出ていくのだが…これって私はどう見てもdocomoのアンサーハウスの山崎努さんの真似をしてるように思えるんだけど…ビートたけしに似てると言う人もいるんだけどどうなんだ?(笑)結構しリアルなドラマの中にもユニークだったり、えっと思うシーンがちりばめられているんですよね。本当にそれぞれのキャストが楽しんでドラマを作っているのが伝わってきます。


鼻のほくろを隠すためにピアスをしてる真一君。まぁ、チャラ男にピッタリですが、真一が出ていくと同時に風太郎が店内に入ってくる。


優しい伊豆屋の人たち、三國家と立場は全く違う環境にいる人達だけど、貧しさの中にある正直さのようなものが、結局風太郎の気持ちを揺さぶられてしまう。


彼らの純粋さ、お金より心が大切だと言い切る言葉を信じたい反面、それを裏切られてしまうのではと思う恐怖と絶望に苦しめられる風太郎。だから自ら彼らを試そうとする。風太郎自身に納得をさせるために…。


「心なんかじゃ生きていけないんだよ、使えよ…その金…自分のものにしろよ…見してくれ…大切なのは結局金だってことを、所詮銭ズラ」


でも、彼らは目先のお金を取ることはしなかった。本当に彼らの心を信じればいいのか?悩み苦しむ風太郎、これから伊豆屋をどうして行こうと思っているのだろうか…。


一方、荻野刑事の所に匿名の電話がかかってくる。三國家の庭に死体が埋まっていると…


ウェディングドレスの試着につきあう風太郎…
姉妹は楽しそういドレスを選んでいるが…


緑と話をする風太郎…またまた身分の違いを話す風太郎。


風太郎君はさ、少し…決めつけるところがあるね…お金持ちの人はみんなこうだ…みたいな。それは違うと思うと思うけどな私…みんな違うし、私は私…茜は茜。みんな個性があって違う、お金持ちという名前の人間は一人もいない。もう、やめなよ、私たちの世界とかそういう考え方」
「はい…お姉さん」
「(笑)よし!」


だからそんなこと言っても現実社会は必ずしも私は私とか個性があってみんな違うそれを認めようなんて口で言っていても、そういう自分たちと違う人間を排除したり否定したり、枠に入れようとしてるじゃない?
別にお金持ちとかじゃなくてもね。建前でそんなこと言っていてもそれを真に受けると信じた人間は傷ついてしまう。期待して裏切られてしまう…それが今の世の中の現実の一つ。


緑の言いたい事もわかる。それはだれしもがそう願いたい、そうありたいという理想と希望であり、風太郎が話してることは今、目の前にある逃げようのない、隠くしたい、見たくない、なるべく避けて通りたいと願う、現実の社会そのものだと私は感じている。


茜ちゃんの姿がお金まみれになるCGはドキッとした。


三國家に到着する荻野刑事たち。
ここでのやりとり気になりませんでした?(笑)


「絶対僕は知らなかったことにしてくださいよ」
「責任は2人で取るんだよ…チームなんだからさ(笑)」


このチームって言葉に反応してしまった私、前クールのドラマ「チームバチスタの栄光」からのコンビだからこれも言葉遊びみたいなものかなと思ったりしたんだけど深読み過ぎ?(笑)


さて、庭に死体が埋まっているという匿名の通報があったということで場所を掘り起こすことに…


三國パパ・緑・茜・ハルちゃん、風太郎、荻野、そして菅田刑事が穴を掘り起こす。


緊迫したシーン…見る見るうちに風太郎の表情に焦りが…それを見る家政婦のハルちゃんと荻野。風太郎はもういつ爆発するかわからない風船のような状態、完全にパニック状態です。この時の風太郎の唇の動きがこれまた細かい…。一体誰が?どうしてバレた?もう頭の中でグルグル回っているなという事が見てて感じ取れるし凄く緊迫して緊張感がピークに!と思ったら…


「なんだこれ!」

もうダメだ!と思って恐る恐る目を開けた瞬間見たものは…
へのへのもへじ  バカが見るぅ♪」って(汗)
でもこれで荻野はより風太郎に対して確信を持ったようですね。


これ、最初予告編の段階ではてっきり、家政婦のハルちゃんが密告したのかなと思ったんだけど、実際オンエアを見て、してやられた!って感じになりませんでした?(えっ、だれがこんなことしたかわからない?本当に?)


これってよくよく考えると凄いなって。健蔵このメッセージをハルちゃん、荻野、そしてフウタロウに向けて書いてるんだよ。ハルちゃんには「残念、ここにあんたが観た遺体はありません!」そして荻野には「せっかく、風太郎が埋めたと思って掘り返したのに何もありませんでしたねぇ〜残念でしたぁ」って、そして風太郎に「残念だったね。これでお前は俺に借りが出来たんだぞ、いざとなったらどうなるかわかってるだろうな」という意味を込めて…。


もう、それを分かった風太郎のホッとしたのも一瞬、悔しさと怒りと憎しみの表情は今までに見たことがない形相でしたね。


もうあっという間の1時間で短すぎる…そして9話で完結なんて絶対いやだ!短すぎる…でも、原作の重要なツボを押さえつつドラマも展開していってくれているので本当に凄いなと。


そして今週のエンディング前の緊迫した空気を一瞬に変えたへのへのもへじ」は原作者のジョージ秋山先生が書いて下さったものです(エンディングクレジットに名前が出てきています)原作者もこうして楽しんでドラマに参加してくださっているのは嬉しいですね。


来週はさらにスピードアップの展開になりそうだからね目が離せないです。