思考パターンが違うのにその1

ある掲示板で最近、色々やり取りが盛んなのは良いんだけどなんだか「無意味なやりとり」って感じがする。
そのやり取りを観る度に以前、また違うサイトの掲示板で私も同じようなやり取りをしなければならないことになったのを思い出す。その時にTomoko先生が解説してくれた事を紹介したいと思います。長くなるので分割します。

Tomoko先生の解説その1

AS思考回路と典型的思考回路の人たちの議論が起こっていましたね。非常に興味深く読ませていただきました。

あのね、皆さんに知って置いていただきたいんですが、ASD思考回路の強い人は(たとえばメイメイさんみたいに)、典型的思考回路の方には「けんか腰」「揚げ足取り」「重箱の隅をつつく」ように読める文章でレスを書くときって、本当に純粋に「わからない」「わかりたい」「今この矛盾や不可解を解決しておかないと、この後の自分の生活に支障が出る」と命に迫るものを感じて質問・疑問・反論をしているだけ、ただその一点に集中しているだけなので、相手をカンピ無きまでに言い負かすつもりなどまったく無いということを理解していなくちゃいけないと思います。本当にその瞬間、この矛盾と疑問を解決しておかないと、この後、一瞬も生き抜けないってほど真剣に考え、その事に全身全霊を集中して解決に向かってレスを書いてしまうの。自分にとってわからないことを読んでしまったら、そのことを放置しておけないの。放置した場合、脳の片隅で気になって気になって、結局生活に影響して、大混乱になっちゃう人がいるんですよ。

もちろん、すべてのASの人がそうだというわけではないのです。それで、「私だってASだけど、こんなに人に対して追い討ちをかけるような書き方はしない」と主張するASの人もいるでしょうけれど、もしそれを本当に主張するとしたら、それもまた、ASD的思考行動と言えるの。だって、そこで、訂正を求めないと気がすまない、と言うASD的行動ナ訳。普通の典型的思考かあるいはそれに近い人たちだったら、他の誰が読んでいるかもわからないBBSでは書き込みすぎることの体面の方を重視するので、もう誰になんと思われても「捨て置け」ることができるからです。

ところが、ASDの人は「捨て置け」ることなんてできない。自分の議論とは関係ない人たちが読んでいることなどすっかり忘れて、銀河の果てまで突き抜けるほどの一直線で強力なエネルギーで、自分の目の前のその一点の曇りを払うことに専念してしまう、そうせざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。なぜって、それは、BBSは文字情報だからです。ASD思考回路は、文字情報のビジュアルさに、思わず引っ掛けられてしまい、ドライブをかけられてしまう=つまり、その文字情報には反応せざるを得ない脳の構造があって、その衝動は、自分の意思でも止められない、止めようとする余裕も無い速さでドライブがかかってしまう(突き動かされてしまう)と言うことなんです。

難しくなってしまいましたが、言いたいことは、ASD思考回路を持つメイメイさんは、自分の疑問を自分の中で整理するために一生懸命Aさんに「質問」してただけなんだけど、その言葉遣いが、他者には「詰問」「けんか腰」に受け止められてしまったわけね。メイメイさんはそんなつもりじゃなかったから、誤解を解くために、さらに「言葉を重ねて」説明したつもりが、典型的思考回路の者には「さらにけんか腰」に響いてしまった、、、

今回の議論は、以上のような、ASD思考回路と典型的思考回路がまったく異なるファンクションで動いて、似て非なる「言語」、つまり同じ日本語だったけど、少し概念が異なる用語を、相手にとって好ましいとは思えない文脈で用いたために、お互いの立場が理解からさらに遠ざかってしまった、という印象を受けています。
もちろん、ここに書いた理由だけではないのでしょうけれどね。 =続く=

この内容の「メイメイ」と「Aさん」の部分を某掲示板のやり取りに照らし合わせてみた場合、私と同じ思考をしているのは「Eちゃん」で典型的思考回路の人は「Kさんや非AS(保護者の人たち)」という図式に当て嵌めると解りやすいのではと思います。だからと言って私とEちゃんとでは根本的な自閉的要素は変わらないけれどそれ以外の部分ではかなり違いますのであしからず。

それにしても、当事者でもまだまだASと自閉症は別物だと思っている人がいるんだねぇ〜(これじゃなかなか誤解を払拭するのは難しいのかなぁ〜(汗))